以前から観たかった近江・若狭の観音さま
あの観音さま、こちらの観音さまにも、お目にかかりたいと欲ばり・・・
尻込みしていたが、ツアーで\(^o^)/
でも、行ってから知ったのだが
秋に、観音さまバスツアーが大阪府の高槻から出ているとか
その他にもバスツアーがあるらしい!?
にわか仏像ファンの私はビックリ
日本海、若狭の小浜港は、古来から貿易の玄関口といわれ
渡来人が住み、いろいろな文化と供に、木彫仏、鋳造仏などの技術が伝わった
有名な小野妹子、山上憶良、坂上田村麻呂は渡来人
「日出づるところの天子・・・」の書き出しで知るところの、聖徳太子の国書を中国の皇帝に渡したのが小野妹子です
天智天皇は「白村江の戦い」に敗れ、流れ込んだ5万人の百済人の文化を得るため、大津に遷都したとされている
若狭の小浜は「海のある奈良」と呼ばれている
由緒のあるお寺や神社が多くあり、魅力的な仏像に出会える
多くの仏像が近年まで秘仏だったため、制作当初の姿がよく残っている
盛安寺(せいあんじ)
石工たち穴太(あのう)衆が住んでいた所に盛安寺がある
戦国時代に越前朝倉氏の家臣・杉若盛安(すぎわかせいあん)が再興し、自らの名を付けたと伝わっています
その後、何度か焼失しては、再興され、現在に至っています
十一面観音立像(じゅういちめんかんのんりゅうぞう)
とても素敵な観音さまだが、とても変わった観音さまです
腕が4本あり、前の2本は合掌し、地蔵菩薩が持つ錫杖を持っている
天智天皇の勅願によって創建された崇福寺(そうふくじ)(室町時代に廃寺)にありました
井上靖の『星と祭』に、こちらの観音さまが登場する
この本が、きっかけで湖北の観音さまが注目されるようになったという
京阪石山坂本線「穴太駅」徒歩5分
or
JR湖西線「唐崎駅」徒歩15分
と比較的行きやすいが
やはり拝観は事前予約がいる
(十一面観音立像の拝観は5.6.10月の毎土曜日とGW、正月3が日のみ)
石馬寺(いしばじ)
今年の令和5年、6月と10月の秘仏の十一面観音千手観世音菩薩立像が70年ぶりに御開帳
(日にちはホームページを参考に)
石馬寺は、繖山(きぬがさやま)にあります
聖徳太子が霊地を探して当地を訪れ、繖山の麓の松の木に馬をつなぎ山上に登り戻ってくると、馬は石と化して池に沈んでいた
そこで、この地に寺院を建立し、馬が石になったことから寺名を『石馬寺』と号したとされています
実は、聖徳太子はノイローゼ
湯治に、この地を頻繫に訪れていたようだ
叔母さん推古天皇の摂政は”(-“”-)”大変だったのかな
335段の石段を登ると、本殿と大佛宝殿があります
大佛宝殿には丈六阿弥陀如来像、大威徳明王像、役行者腰掛像、十一面観音立像など国の重要文化財が十一体安置されています
大威徳明王像(だいいとくみょうおうぞう)
牛が、右脚を曲げて立とうとしている珍しい大威徳明王像です
JR琵琶湖線「能登川駅」下車、近江バス「八日市駅」行き「石馬寺」下車、徒歩15分
渡岸寺(どうがんじ)観音堂 向源寺(こうげんじ)
聖武天皇の時代(1300年前)疱瘡(ほうそう)が流行った時
十一面観音立像を彫り祈祷して治まったという
戦国時代の浅井・織田の戦いでは、
地域の人が十一面観音を、土の中に埋め守った
十一面観音立像(じゅういちめんかんのんりゅうぞう)
お会いしたかったです
正面の顔の左右に、大きな二面が、まるでヘッドフォンのように配置されている
両耳に大きな耳璫(じとう)イヤリングをつけている
194センチの大きな観音さま
他の十一面観音と比べると最上面がすごく大きい
十字のおヘソ
左にひねった、くびれた腰
後面の「暴悪大笑面」
360度、時間の許すかぎり回って拝観しました
JR北陸線「高月駅」下車・徒歩10分
羽賀寺(はがじ)
元正(げんしょう)女帝(聖武天皇の叔母)が創建した寺です
本尊の十一面観音立像は、元正女帝の姿を写したとされる
羽賀寺は、福井県若狭の小浜(おばま)市にある
あじさい寺として知られている
十一面観音立像(じゅういちめんかんのんりゅうぞう)
美しい
とっても品がある
一日中、おそばにいたい気分になります
JR小浜駅より3.5㎞
多田寺(ただじ)
本尊は薬師如来
「若狭の多田薬師」は、「奈良の薬師寺」「出雲の一畑薬師」と、日本の三大薬師といわれている
日光十一面観音菩薩(にっこうじゅういちめんかんのんぼさつ)
やさしい お顔
「くよくよしないで!大丈夫ですよ!」と
頭をなでてくれそう
白鳳時代(1300年前)、中国からの渡来僧が造ったとされる
JR小浜駅より車で15分(駅にレンタサイクル・電動あり)
妙楽寺(みょうらくじ)
本堂は、鎌倉時代
若狭における最古の建造物
本尊の千手観音立像は、行基僧侶が彫り、空海が堂舎を建立した
千手観音立像(せんじゅかんのんりゅうぞう)
高さ176.3センチの大きな像に
四十二本の脇手に加え、小さな腕を付け足して「千本」が表現されている
本面のほかに脇面を両側にもち、頭上には二十一面を備え
平安時代に造った像が、黄金に輝いている
どんな願いも叶えてくれそうだ
JR小浜駅から3.7㎞ 車で15分(駅にレンタサイクル・電動あり)
明通寺(めいつうじ)
美しく、清楚なお寺です
桓武天皇(806年)のとき、坂上田村麻呂が蝦夷(えみし)討伐の際に建立され
蝦夷の霊を弔っている寺です
ゆずり木の下に居士(こじ―修行僧)が住み、ゆずり木で薬師如来・降三世明王・深沙大将を彫ったとされる
三重塔
国宝
鎌倉時代中期
JR小浜駅から4.0㎞ 車で20分(駅にレンタサイクル・電動あり)
帰宅してから、さっそく井上靖さんの『星と祭』を読んだ
その際に對馬佳菜子さん『観音ガールと巡る近江の十一面観音』
『星と祭』複刊プロジェクト公式ガイドブック編
という書籍も、いっしょに図書館で借りた
主人公の娘さんが琵琶湖でボートに乗っていた時、突風にあおられ湖に沈み亡くなった
遺体は出てこない
湖に近づけない歳月
さまざまな想いめぐらせ
13の寺を巡り、観音さまに癒やされていく作品です
向願寺の十一面観音を
「宝冠ですな、これは。みごとな宝冠ですな」
丈高い十一個の仏面を頭に頂いているところは、
まさに宝冠を戴いているように見える。
盛安寺の観音さま
加山は、いま眼の前にある観音像を、自分がこれまでに見た同じ湖畔の他の四体の像と較べることはできなかった。
観音さまの微笑をふくんでいる顔を仰いでいると、自然にこちらも微笑せずにいられなくなる、そんな感じである。
『観音ガールと巡る近江の十一面観音』には、観音さまの写真と寺の場所なども記載されている
長編だが、だんだん吸い込まれていきました